〜安心して住める家にするための第一歩〜
「空き家を買ったけど、まず何をすればいいの?」
「ぱっと見はきれいに見えるけど、本当に住んで大丈夫?」
こうした不安を抱える方は少なくありません。特に東京近郊では、中古住宅や空き家を購入してリフォームして住むというケースが増えています。しかし、外から見てきれいでも、床下や屋根裏には思わぬ劣化や不具合が潜んでいることが多いのです。
この記事では、空き家購入後に「必ず確認すべきチェックリスト」を専門家目線でわかりやすくまとめました。大切なのは「直す前に調べること」。順番を守ることで、無駄な費用を抑えながら安心の住まいを実現できます。
目次
1. 家の土台と柱をチェック
なぜ重要?
家の基礎や柱は、人間でいえば骨や背骨にあたります。ここが弱っていると、どんなに壁紙を張り替えても安心して暮らせません。
チェックポイント
- 基礎にひび割れや欠けがないか
 - 床が傾いていないか(ビー玉を転がして確認可能)
 - 柱や梁にシロアリの被害や腐食がないか
 
実例
浅草でご相談いただいたお客様の中古住宅では、見た目はきれいでしたが、床下に湿気がこもり柱の一部が腐食していました。柱交換は約50万円かかりましたが、入居前に直したことで将来の大規模修繕を防ぐことができました。
2. 屋根と外壁をチェック
なぜ重要?
屋根や外壁は雨風や紫外線から家を守っています。傷んでいると雨漏りやカビの原因になり、室内に深刻な被害を及ぼします。
チェックポイント
- 屋根瓦やスレートがずれていないか
 - 外壁の塗装が剥がれていないか
 - コーキングのひび割れがないか
 
実例
葛飾区のお客様宅では、外壁の塗装剥がれを放置した結果、下地が腐食し修繕費が200万円かかってしまいました。購入直後に塗装をしていれば半分以下で済んだ可能性があります。
3. 水回り設備と配管をチェック
なぜ重要?
水は家を傷める最大の原因です。古い配管や設備は水漏れ・詰まりを引き起こし、床下や壁の腐食につながります。
チェックポイント
- キッチン・お風呂・トイレの水漏れ
 - 排水の流れがスムーズか
 - 床下に湿り気やカビ臭がないか
 
実例
台東区で購入された中古一戸建てでは、入居1年後に排水管の詰まりが発覚し、床を剥がす大規模工事になりました。購入後すぐに配管の点検をしていれば、数万円の修繕で済んでいたケースです。
4. 電気やガスの安全性をチェック
なぜ重要?
古い配線や設備は火災リスクにつながります。
チェックポイント
- 分電盤が旧型でないか
 - コンセントやスイッチに焦げ跡がないか
 - ガス給湯器が10年以上経過していないか
 
実例
文京区のお客様宅では、築40年の家の分電盤が古く、漏電の危険がありました。交換に20万円ほどかかりましたが、火災リスクを回避でき安心して暮らせるようになりました。
5. 害虫やカビをチェック
なぜ重要?
長く空き家だった住宅には、シロアリやカビのリスクが高まります。
チェックポイント
- 床下や押入れに白い粉や食い跡がないか(シロアリの可能性)
 - 壁紙や天井に黒いシミがないか(カビの可能性)
 - 異臭がしないか
 
実例
荒川区の中古住宅では、押入れ奥にカビが広がり、壁の貼り替えと断熱材の交換で80万円かかりました。購入時にカビの点検をしていれば、もっと軽微な修繕で済んでいたはずです。
6. チェックリストまとめ
- □ 基礎・柱に問題はないか?
 - □ 屋根・外壁に劣化はないか?
 - □ 水回り・配管に不具合はないか?
 - □ 電気・ガスは安全か?
 - □ 害虫・カビは発生していないか?
 
7. 修繕費用の目安
- 軽微な修繕:10万〜50万円
 - 屋根・外壁塗装:80万〜150万円
 - 水回り一式交換:200万〜400万円
 - 全面リフォーム:800万〜1500万円
 
8. 補助金制度の活用
東京都では耐震改修や断熱改修に補助金が用意されています。特に築古住宅は対象になることが多いので、事前に確認するのがおすすめです。
9. 専門家に依頼するメリット
DIY感覚で点検するのも大事ですが、建築士の知見を活かした劣化調査(住宅診断)すれば、見落としなく家の状態を把握できます。費用は5万〜10万円程度で、数百万円の損を防げると考えれば安い投資です。 ※目視中心の現状把握であり、隠れた欠陥を完全に保証するものではありません。
まとめ
空き家を購入したら「直す前にまず調べる」が鉄則です。基礎・屋根・水回り・配管・電気・害虫…この5つをしっかりチェックしてからリフォームに進めば、無駄な費用をかけずに安心の住まいを手に入れられます。